タブの活用とドロップダイアログ
X-Finderのファイラとしての特徴のひとつに、"タブ型"であるということが挙げられる。
複数のフォルダを切り替えながら作業を行うときなどに効果を発揮するタブだが、X-Finderでは基本操作で記述したような操作の他にも、タブからプロパティが確認できたりカーソルがあるときにタブのフルパスを表示したりといったように様々な便利な機能が設定されている。
画面を分割すると、タブも分割画面毎に表示される。
タブの設定
タブの表示の設定等は上の画像のように"表示"→"タブ"の項目から行える。
Set:Tab=有効にしたい設定(上の画像の項目名の最後の英字参照)でもタブの設定は可能
表示位置(選択)
- 表示しない
- タブを表示しない。(単純に隠すだけなので、タブを使用しないというわけではない)
- 上に表示
- タブを上側(リストビューとアドレスバーの間)に表示する。
- 下に表示
- タブを下側(リストビューとファンクションバーの間)に表示する。
- 左に表示
- タブを左側(リストビューとツリーの間)に縦に並べて表示する。
- 右に表示
- タブを右側に縦に並べて表示する。
- 分割時は上下(左右)に表示
- 2画面時のタブの表示場所を上下に分け、ツリーの上までタブが表示されるようになる。(上側→上、左画面 下側→下、右画面)
表示スタイル(選択)
- 標準
- Visual Styleが適用されるシステム標準のタブスタイル。
- 拡張
- 標準と似た表示だが、多段タブ時やタブの縦表示の際に上から表示される。
- ボタン
- アクティブなタブは奥にへこんで表示され、それ以外のタブは手前に浮き上がって表示される。
- フラットボタン
- アクティブなタブは奥にへこんで表示され、それ以外のタブはフラットに表示される。タブの横幅が一番大きい。
その他
- 多段表示
- タブが一杯になったらタブを多段にして全て表示する。チェックがない場合は右端のカーソルボタンで表示するタブをスクロールする。
- 背景色
- チェックがある場合、「タブの背景色」や「アクティブタブの色」といったタブの色に関する設定が有効になる。チェックが無い場合はタブのスタイルがシステム標準の形になる。WinXPの場合、チェックするとVisualStyleでカスタマイズしたタブのスタイルが無効になるので注意。
- 余白色
- アクティブタイトルバーの色、非アクティブタイトルバーの色をタブの余白に適用する。VisualStyleを変更しているときは"背景色"のほうにチェックがないと動作しないことがあるので注意。
- タブの重複を許可
- チェックが無い場合は重複タブを開かなくなる。
- アクティブの右に新しいタブを追加
- 現在のタブのすぐ右に新規タブを作成する。チェックが無い場合はタブの一番右に新規タブを作成する。
- 閉じるボタン
- アクティブなタブの端にタブを閉じるボタンを表示する。
- 右クリックで閉じる
- タブを右クリックしたとき、ポップアップメニューを表示せずにタブを閉じる。
- ホイールでタブを切り替える
- タブ上のホイールスクロールや、右クリックしながらのホイールスクロールでタブを切り替えるようになる。
- 新しいタブで開く
- チェックするとフォルダを新規タブで開くようになる。
- 閉じたら親フォルダのタブをアクティブに
- タブを閉じたとき、そのフォルダの一つ上の階層のフォルダのタブがあったらそのタブをアクティブにする。(チェックがないと直前にアクティブだったタブをアクティブにする)
- 閉じたら左のタブをアクティブに
- タブを閉じたとき、すぐ左のタブをアクティブにする。
- 履歴の保存
- タブごとの履歴をX-Finderを終了しても保存する。(チェックしないと起動毎にリセットされる)
タブ幅の変更
"ツール"→"基本オプション"を開き、"タブ"のタブを選び、"タブの幅"で指定する。値を0か1以外にすると入力した値で等幅のタブとなる。(0か1だとタブ幅はフォルダ名の長さで自動的に変化する。さらに0だと多段表示時にタブ表示領域に空きがなくなる。)
タブを右や左に表示している場合は、Ctrlキーを押しながら左ドラッグすることによりタブ幅を調整することができる。
タブの色分け
タブを右クリックしたメニューから"タブの背景色1"、"タブの背景色2"を選択するか、CtrlキーとShiftキーを押した状態でタブを左クリックすることによって表示される、カラーパレット画面で色を選択することによってタブの背景色を個別に変更することができる。
2つの色を指定すると、背景色1が上側、背景色2を下側の色としてグラデーションされる。
"Set:TabColor=色コード"を使用すればランチャで変更することも可能。フォルダ設定に記述すれば任意のフォルダでタブ色を変更するといったこともできる。
ランチャで2色を指定したいなら、
"Set:TabColor=#ffffff,#808080"のように"背景色1","背景色2"の順番となる。
また、"ツール"→"詳細オプション"→"アクティブタブの色"を開くか、"ツール"→"基本オプション"→"色"タブを開くかすれば、アクティブタブの色の設定も行える。
ここで設定できるのは、「アクティブタブのラインの色」、「アクティブタブの背景色1」、「アクティブタブの背景色2」、「アクティブタブの文字色」の4つ。
"clNone"と指定すればその項目は元々の色から変更されないので、フォルダ設定での背景色の指定を生かしながらアクティブタブの視認性を向上させることができる。
ランチャで指定したいなら、
"Set:ActiveTabColor=#FF8000,clNone,clBlack"
のように"ラインの色","背景色1","背景色2","文字色"の順番となる。
"ツール"→"詳細オプション"→"デフォルトのタブ色"を開くか、"ツール"→"基本オプション"→"色"を開くかすれば、デフォルトのタブの色や文字色を設定することができる。
ランチャで指定したいなら、
"Set:AllTabColor=clDefault,clDefault,clDefault"
のように"デフォルトのタブの文字色"、"デフォルトのタブの背景色1"、"デフォルトのタブの背景色2"の順番となる
タブ名の変更
タブを右クリックしたメニューから"タブ名の変更"を選択するか、"Set:TabName=任意のタブ名"を実行することにより、表示されるタブの名称をそれぞれ任意のものに変更することができる。タブの色分けと同様、フォルダ設定に記述すれば任意のフォルダでタブ名を変更するといったこともできる。
タブの文字色の変更
タブを右クリックしたメニューから"タブの文字色"を選択すると、そのタブ名の文字色を変更することができる。(β)
タブごとの壁紙の変更
タブを右クリックしたメニューから"壁紙の変更"を選択するか、"Set:Wallpaper=任意の画像ファイルのパス"を実行することにより、表示されるタブの壁紙を設定することができる。
タブのソート
"ChangeTab:Sort"を実行することで、タブを表示フォルダのフルパス順にソートすることができる。
タブの背景色、タブの名称、タブの壁紙はフォルダ設定で指定していない限り保存され、新しいタブを開いた際にも引き継がれる
タブの保存
"ファイル"→"タブの状態を名前を付けて保存"を実行すると、現在開いているタブをiniファイルに保存するダイアログが表示される。
ここで保存したiniファイルを"ファイル"→"タブの状態の読み込み"で表示されるダイアログで開けば、保存時のタブの状態を復元することができる。
ランチャで実行する場合は以下のような記述になる。
現在のタブをTab1.iniに保存する [パス] ChangeTab:Save %x-finder%Tab1.ini [動作] 実行
Tab1.iniに保存したタブを復元する [パス] ChangeTab:Load %x-finder%Tab1.ini [動作] 実行
閉じたタブを開く
タブの隣の領域をホイールクリックすると最後に閉じたタブを開くことができる。
ランチャで実行する場合は以下の記述で動作する。
最後に閉じたタブを開く [パス] TF:Shift Closed: [動作] 実行
――関係するコマンド
- NewTab:・・・・タブを追加する
- NewTab: パス・・・・パスを新規タブで開く
- Background:・・・・フォーカスされたアイテムをバックグラウンドのタブで開く
- Background: パスA パスB・・・パスA、パスBをバックグラウンドのタブで開く
- Close:・・・・・開いているタブを閉じる
- Close:1・・・・・開いているタブ以外のタブを閉じる
- Close:10・・・・開いているタブをロックを無視して閉じる
- Close:11・・・・開いているタブ以外のタブをロックを無視して閉じる
- Close:2・・・・・重複したタブを閉じる
- Close:4・・・・・全てのタブを閉じる
- Close:7・・・・・開いているタブの左側のタブをすべて閉じる
- Close:9・・・・・開いているタブの右側のタブをすべて閉じる
- Close:14・・・・全てのタブをロックを無視して閉じる
- Close:フィルタ・・・・フィルタに合致したパスのタブを閉じる
- Lock:・・・・・・ナビゲートロックの切り替え
- Lock:1・・・・・ナビゲートロックをオンにする
- Lock:0・・・・・ナビゲートロックをオフにする
- Refresh:・・・・タブ内のリストビューの更新
- ChangeTab:-1・・左のタブにフォーカスを移動
- ChangeTab:1・・・右のタブにフォーカスを移動
- Set:TabColor=色コード・・・・・タブの色を設定する
- Set:TabName=任意のタブ名・・・・・タブの名称を任意のものに変更する
- ChangeTab: @n・・・・左端からn+1番目のタブにフォーカスを移動
- ChangeTab: @-n・・・・右端からn番目のタブにフォーカスを移動
- ChangeTab: パス・・・・合致するパスのタブにフォーカスを移動
- ChangeTab: *xx(xx*,*xx*)・・・・*xx(xx*,*xx*)でフィルタされたタブ名のタブにフォーカスを移動
- ChangeTab:Sort・・・・タブをフルパスでソートする
- ChangeTab:Save 保存ファイルのパス・・・・現在開いているタブをファイルに保存する
- ChangeTab:Load 保存ファイルのパス・・・・保存されたファイルからタブを読み込む
- TabMenu:・・・・・タブを右クリックしたときのメニューを表示する
- TF:Shift Closed:・・・・最後に閉じたタブを開く
以下は活用例
ナビゲートロックされたタブ以外を閉じる [パス] Close:1 Close: [動作] 実行
タブを全て閉じてフォルダAとフォルダB、フォルダCを開く [パス] 0:"フォルダAのパス" Close:11 Background: "フォルダBのパス" "フォルダCのパス" [動作] 実行
"temp"を含むパスのタブを閉じる [パス] Close:*temp* [動作] 実行
サブフォルダのタブも一緒に閉じる [パス] Close:"%Current%*" [動作] 実行
現在開いているタブを名前を付けて保存する [パス] Input:"Tabの保存","開いているタブを保存","保存ファイル名を入力","%DateTime:yymmdd%" ChangeTab:Save %x-finder%%inputdata%.ini [動作] 実行
ドロップダイアログ
多くのフォルダを切り替えて操作するのに便利なタブだが、タブからタブへのファイルやフォルダのコピー/移動などの操作となるとどうしてもマウス操作(D&D)が主体となることが多い。
このD&Dをキーボードのみで可能にする手段として、X-Finderでは、"ドロップダイアログ"が用意されていて、デフォルトでは"F3"キー(移動)と"F4"キー(コピー)のいずれかで呼び出すことができる。
上の画像はドロップダイアログを表示しているところである。
ここでダイアログの左画面にはドロップするものとなるファイルやフォルダが表示され、右画面で表示しているタブ*1や同時に起動しているD&Dに対応したプログラムからドロップ先を選択する。
また、左下には動作の内容が表示され、移動/コピー/ショートカットの作成の3つから動作を選択し"開始"によって実行される。
なお、FireFileCopyやCopyExtなどでシェル拡張をしている場合は"右ドロップ"にチェックをすると標準の右D&Dメニューからこれらの機能を利用することができる。
後述のコマンドを活用してドロップダイアログでのドロップ先表示を限定することにより、さらに素早く作業を行うことが可能になる。
――関係するコマンド
- Drop:0・・・・選択されたアイテムをドロップダイアログでコピー
- Drop:1・・・・選択されたアイテムをドロップダイアログで移動
- Drop:2・・・・選択されたアイテムをドロップダイアログでショートカット作成
- Drop:10・・・選択されたアイテムをドロップダイアログでコピー(右D&Dメニュー表示)
- Drop:11・・・選択されたアイテムをドロップダイアログで移動(右D&Dメニュー表示)
- Drop:12・・・・選択されたアイテムをドロップダイアログでショートカット作成(右D&Dメニュー表示)
上述のコマンドの数字に100を加える(0+100=100、11+100=111・・・)とドロップダイアログに他のアプリケーションのみが表示されるコマンドになる。
また、数字の後ろに",ドロップダイアログに表示されるクラス名"を追加するとドロップダイアログにそのクラス名の指定が該当するもの("*"によるワイルドカード可)のみが表示されるコマンドになる。
*1:タブの背景色の変更はドロップダイアログでも有効